![]() 柔らかな表面質感を有する低光沢熱可塑性樹脂組成物及びその成形品
专利摘要:
(A)グラフト率が約40〜約90%、及び平均粒径が約6〜約20μmのゴム粒子を分散相として含む軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂約10〜約80重量%と、(B)ゴム改質芳香族ビニル系共重合樹脂約4〜約60重量%と、(C)芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合樹脂約5〜約80重量%とを含む、柔らかな表面質感を有する低光沢熱可塑性樹脂組成物を開示する。本発明の熱可塑性樹脂組成物から成形した成形品は、柔らかい表面質感を有し、かつ低光沢性及び衝撃強度に優れている。 公开号:JP2011508045A 申请号:JP2010540590 申请日:2008-12-29 公开日:2011-03-10 发明作者:ド イ,ビョン;クヮン キム,スン;スプ ジン,ヨン;リョン スン,ホ;ソク パク,フヮン;クン ホン,ジェ;ドン ヨ,ヨン 申请人:チェイル インダストリーズ インコーポレイテッド; IPC主号:C08L55-02
专利说明:
[0001] 本発明は、柔らかな表面質感に優れた低光沢熱可塑性樹脂組成物及びその成形品に関する。より具体的には、本発明は、分散相として特定範囲のグラフト率及び特定範囲の平均粒径を有するゴム粒子を含み、高い膨潤指数を有する軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂を含有し、柔らかな表面質感を有し、かつ低光沢性及び衝撃強度に優れた熱可塑性樹脂組成物及びその成形品に関する。] 背景技術 [0002] 一般的にABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂は、加工性が良好であり、耐衝撃性、耐化学性、耐熱性及び機械的強度のような特性のバランスに優れているだけでなく、成形加工が容易であって、細々とした日用品及び身の回り品/アメニティに加えて、自動車部品や電化/家電製品の外装材などのような種々の製品に広範囲で用いられている。] [0003] 近年、既存の硬くて光沢のあるプラスチックとは違う低光沢と柔らかい表面質感とを同時に持つ熱可塑性樹脂に対する要求が増えている。特に、しばしば人の手が触れたり、長い間眺めなければならない自動車の内装材及び電化/家電製品の外装材などでその需要が増加している。さらに、環境保護への厳しい規制ゆえ、塗装工程を省きながら直接成形できる低光沢樹脂の需要もまた増加している。] [0004] このような低光沢樹脂、特に低光沢ABS樹脂を製造する方法は、三つに分けられる。最も広く用いられている方法は、無機系充填剤、アクリル樹脂又は架橋されたスチレン樹脂のような無光沢添加剤−艶消し剤を適用する方法である。他の方法は、後加工工程で光沢を取り除く方法である。この方法は、射出成形工程において金型上でエッチングすることによって、または塗装工程によって低光沢効果を出す。他の方法は、ABS樹脂の分散相であるゴム粒子の大きさを調節して、マイクロスケールの粗面を形成する方法である。このようなマイクロスケールの粗面は、入射光を散乱させて光沢を低くする。] [0005] 添加剤−艶消し剤を用いて低光沢効果を具現する方法は、様々な側面で実行に便利であるが、添加剤の分散状態により均一な光沢が得られないという欠点がある。また、射出成形工程における金型上でのエッチングまたは塗装工程の方法は、製造コストが増え、環境にやさしくない。一方、ゴムの粒径を調節して粗面を形成する方法は、別途の追加工程が不要であるという長所があるが、低光沢性及び柔らかい感じの表面を同時に具現することができないという欠点もある。] [0006] 樹脂の光沢を低くするために、米国特許第5,475,053号では、球形のグラフト共重合体を艶消し剤として用い、米国特許第4,652,614号では、艶消し調整剤として、ゴム含量が約5〜約80%の球形のグラフト共重合体を用いた。また、米国特許第4,668,737号では、光沢を低減するために、約0.05〜約20μmのコア/シェル(core/shell)構造を有する球形のゴム粒子を用い、また、米国特許第5,237,004号では、約2〜約15μmの大きさの重合体粒子を用いている。] [0007] しかしながら、ゴム粒子を含む添加剤を用いる場合には、高製造コストだけでなく、剥離、物性低下又は部分的に光沢が高くなるなどの問題が生じうる。さらに、塊状重合や溶液重合によって製造されたゴム粒子に比べて構造的に緻密であるため、柔らかい表面質感を具現し難い。] [0008] 一方、米国特許第5,605,963号及びEP特許第0668319号では、低光沢性と耐衝撃性とを同時に具現するために、巨大なゴム粒子を有するABS樹脂を開示している。しかしながら、この場合に低光沢性の具現は可能であるが、柔らかい感じの表面改質効果を表し難い。] [0009] 表面質感に変化を与えるために、日本特許第3,673,084号及び日本特開第2000−141322号では、木粉の使用を開示しているが、一般の成形温度では樹脂を成形することが難しい。] [0010] したがって、本発明者らは、グラフト率が約40〜約90%、平均粒径が約6〜約20μmのゴム粒子を分散相として含む軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂を適用することによって、柔らかい表面質感を有し、かつ低光沢性及び衝撃強度に優れた熱可塑性樹脂組成物及びその成形品を開発するに至った。] [0011] 技術的課題 本発明の目的は、柔らかい表面質感を有する熱可塑性樹脂組成物及びその成形品を提供することである。] [0012] 本発明の他の目的は、低光沢性に優れた熱可塑性樹脂組成物及びその成形品を提供することである。] [0013] 本発明のさらに他の目的は、耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂組成物及びその成形品を提供することである。] [0014] 本発明のその他の目的及び利点は、以下の開示及び添付の特許請求の範囲から明白であろう。] [0015] 技術的解決方法 本発明は、柔らかい表面質感を有し、かつ低光沢性及び衝撃強度に優れた熱可塑性樹脂組成物及びその成形品を提供する。] [0016] 本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(A)グラフト率が約40〜約90%、及び平均粒径が約6〜約20μmのゴム粒子を分散相として含む軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂約10〜約80重量%と、(B)ゴム改質芳香族ビニル系共重合樹脂約4〜約60重量%と、(C)芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合樹脂約5〜約80重量%とを含んでなる。] [0017] 本発明の一実施形態では、軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(A)の膨潤指数(swelling index)は、約13〜約30である。] [0018] 軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(A)は、芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体を含むマトリックスと、当該マトリックスに分散されており、グラフト率が約40〜約90%、平均粒径が約6〜約20μmのゴム粒子と、を含みうる。] [0019] ゴム粒子は、内部に芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体又はこれらの混合物が閉鎖(occlusion)された形態を有することができる。] [0020] 本発明の一実施形態では、軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(A)は、芳香族ビニル系単量体約45〜約90重量%と、シアン化ビニル系単量体約5〜約35重量%と、共役ジエン系ゴム約5〜約20重量%と、を含み、連続バルク重合又は連続溶液重合によって製造することができる。] [0021] 本発明の一実施形態では、ゴム改質芳香族ビニル系共重合樹脂(B)は、共役ジエン系ゴム約40〜約80重量%と、芳香族ビニル系単量体約8〜約45重量%と、シアン化ビニル系単量体約2〜約30重量%と、のグラフト共重合体であり、平均粒径が約0.1〜約0.8μmのゴム粒子を有することができる。] [0022] 本発明の一実施形態では、芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合樹脂(C)は、芳香族ビニル系単量体約40〜約90重量%と、シアン化ビニル系単量体約10〜約60重量%と、を含みうる。] [0023] 本発明の一実施形態では、本発明は、前記熱可塑性樹脂組成物から成形された成形品を提供する。該成形品は、約400〜約800nmの平均表面粗さ(Ra)及び約2,000〜約7,000nmの10点平均粗さ(Rz)を有することができる。また、該成形品の60度光沢度は、約40以下の光沢を有することができる。該成形品は、バレル温度約40〜80℃の条件で約180〜280℃で射出成形されうる。] 図面の簡単な説明 [0024] 実施例1〜4で用いた軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(a1)の透過型電子顕微鏡(TEM)画像である。 実施例5及び6で用いた軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(a2)のTEM画像である。 比較例1及び2で用いた軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(a3)のTEM画像である。 実施例1で製造した成形品のTEM画像である。 比較例1で製造した成形品のTEM画像である。] [0025] 最良の形態 (A)軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂 ゴム質粒子を含むABS樹脂を品物に成形すると、ゴム質粒子の一部が成形品の表面に分散されて、成形品の表面上に微細な突出部を形成する。このような突出部は、入射光を散乱させて、光沢を低くすることができる。] [0026] しかしながら、従来のABS樹脂に含まれたゴム相粒子は大きさが小さく、また、ぎっしり詰まっているゴム成分上に多量の単量体がグラフトすることによって形成される硬い殻を備えているため、グラフト率が高く、ゴム相粒子は構造的に緻密である。さらに、かような構造は、他の溶媒が樹脂に浸透しにくいため、従来のABS樹脂の膨潤指数(swelling index)は小さい。既存のABS樹脂は、成形過程を経てもゴム相粒子の硬い形状を維持し続け、ゴム粒子が分散している限定した箇所だけに突出部が形成されるため、表面粗さの程度が低い。したがって、従来のABS樹脂では、十分な低光沢性及び柔らかい表面質感を有する製品を製造することが難しい。] [0027] 本発明に用いるのに適した軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(A)は、従来のABS樹脂よりも粒径が大きい軟質ゴム粒子を分散相として含む。] [0028] 具体的に、軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(A)のゴム相粒子は、既存のゴム粒子よりゴム粒子径が大きく、グラフト率が低く、内部に他の単量体や重合体が埋め込まれた粒子の形態で存在することができるため、ゴム相粒子は構造的に非常に柔らかい。軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(A)は、また、他の溶媒の樹脂中への浸透が容易であるため、比較的高い膨潤指数を有する。] [0029] さらに、このような軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(A)を含む本発明の組成物から成形品を製造すると、図4に示すように、軟質のゴム粒子の形態が成形過程で変形して、成形品の表面全体に微細な突出部だけでなく溝を形成するようになる。微細な突出部及び溝が形成されることによって、マイクロスケールの表面粗さが増加して、優れた低光沢性及び柔らかい表面質感を発揮することになる。] 図4 [0030] 本発明に用いられる軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(A)は、芳香族ビニル系単量体と、シアン化ビニル系単量体と、共役ジエン系ゴムと、を含む。本発明の一実施形態では、軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(A)は、芳香族ビニル系単量体約45〜約90重量%と、シアン化ビニル系単量体約5〜約35重量%と、共役ジエン系ゴム約5〜約20重量%と、を含む。] [0031] より具体的には、軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(A)は、芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体を含むマトリックスと、当該マトリックス相に分散されているゴム粒子と、を含む。] [0032] 好ましくは、軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(A)に分散されたゴム粒子は、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体又はこれらの混合物が内部に閉じ込められた形態を有することができる。] [0033] ゴム粒子の平均粒径は、約6〜約20μmであることが好ましく、約6.5〜約15μmであることがより好ましく、最も好ましくは、約7〜約15μmである。粒径が約6μmより小さい場合には、低光沢性を十分に具現し難く、約20μmを超過する場合には、優れた衝撃強度を具現し難くなる。ゴム粒子の平均粒径は、レーザー光散乱装置を利用して体積平均粒径を基準で測定することができる。また、平均粒径は、透過型電子顕微鏡像のスケールバーまたは分子量平均粒径を利用して測定することができる。] [0034] 本発明では、軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(A)に分散されたゴム粒子のグラフト率は、下記の方法で測定することができる。軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(A)の一定量を取ってアセトンに入れて十分に攪拌して溶かし、次いで常温で二日間放置した後、これを遠心分離してゲルと溶液とに分離させる。この際、ゴム相粒子は、ゲルとして分離される。次いで、前記ゲルを約50℃の真空オーブンで一日乾燥させ、下記式1でグラフト率を計算する。] [0035] ] [0036] 上記式1で、乾燥ゲル(重量%)は、軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂に対する乾燥ゲルの重量%を意味し、ゴム(重量%)は、軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂の製造に投入した共役ジエン系ゴムの重量%を意味する。] [0037] ゴム粒子のグラフト率は、約40〜約90%であることが好ましく、約60〜約90%であることがより好ましく、約70〜90%であることが最も好ましい。グラフト率が約40%未満の場合には、ゴム粒子が安定していなくて十分な衝撃強度を得ることが困難となりえ、グラフト率が約90%を超過する場合には、所望の柔らかい表面質感を表し難い。] [0038] 軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(A)の膨潤指数は、下記の方法で測定する。軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(A)1gを、トルエンとメチルエチルケトンを5:5の体積%で混合した溶媒35mLに添加して、混合液を準備する。混合液を弱く振って軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(A)を溶解させた後、21時間室温で静置して膨潤させる。] [0039] 膨潤されたゲルを約25,000rpmの条件で遠心分離した後、湿潤状態でのゲル重量を測定する。次いで、湿潤ゲルを105℃で4時間真空乾燥により乾燥して、乾燥ゲル重量を測定した。下記の式2を用いて軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(A)の膨潤指数を計算する。] [0040] ] [0041] 軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(A)の膨潤指数は、約13〜約30であることが好ましく、約15〜約25であることがより好ましい。膨潤指数が約13〜約30の範囲にある時、柔らかな表面質感、低光沢性及び高い衝撃強度を発揮することができる。] [0042] 軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(A)に利用できる芳香族ビニル系単量体の例としては、限定されるものではないが、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、4−n−プロピルスチレン、4−t−ブチルスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、ビニルトルエンなどがある。これらの芳香族ビニル系単量体は、単独で又は2種以上混合して用いることができる。上述の単量体の中でスチレンが好ましい。] [0043] 軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(A)に利用できるシアン化ビニル系単量体としては、共重合が可能な不飽和炭化水素基とシアン化基とを共に有しているものが挙げられる。本発明の一実施形態では、不飽和炭化水素の水素が一部、C1〜C8のアルキル基に置換されていてもよい。] [0044] シアン化ビニル系単量体の例としては、限定されるものではないが、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリルなどが挙げられる。これらは、単独で又は2種以上混合して用いられることができる。上述した単量体の中で、アクリロニトリルが好ましい。] [0045] 軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(A)に用いることができる共役ジエン系ゴムの例としては、限定されるものではないが、ポリブタジエン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(アクリロニトリル−ブタジエン)等のジエン系ゴム;当該ジエン系ゴムに水素を添加した飽和ゴム;イソプレンゴム;クロロプレンゴム;ポリアクリル酸ブチル;及びエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)などが挙げられる。これらは、単独で又は2種以上混合して用いることができる。] [0046] 共役ジエン系ゴムとしては、ブタジエン系ゴム又はスチレン−ブタジエン系ゴムが好ましく、より好ましくはブタジエン系ゴムである。一実施形態では、ブタジエン系ゴムは、約5%のスチレン溶液での溶液粘度が約30〜約200cpsであり、好ましくは約100〜約200cpsであり、より好ましくは約150〜200cpsである。] [0047] 軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(A)は、既に知られている多様な高分子重合方法を通じて製造することが可能である。連続バルク重合又は連続溶液重合を用いることが好ましい。] [0048] エマルジョン重合法、懸濁重合法のような一般的な重合プロセスを用いて、平均粒径が約6〜約20μmのゴム相粒子を安定して製造することは容易でない。また、これらの従来の方法では、閉鎖された形態(occlusion)が大きく、約40〜約90%のグラフト率を有するゴム相粒子を製造し難く、さらに膨潤指数を約13〜約30の範囲内へ調節し難い。] [0049] 一実施形態では、軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(A)の製造方法は、次のようである。] [0050] まず、芳香族ビニル系単量体約40〜約60重量部、シアン化ビニル系単量体約10〜約25重量部、共役ジエン系ゴム約7〜約20重量部、及び溶媒約5〜約30重量部を含む混合溶液約100重量部と、重合開始剤約0.005〜約0.03重量部とを混合して混合物を製造し;混合物を反応器に徐々に添加して、軟質のゴム相粒子が形成されるように穏やかな(mild)条件下で連続重合する。一実施形態では、混合溶液約100重量部に対して、分子量調節剤約0.005〜0.5重量部を加えることができる。] [0051] 既存のゴム粒子の製造方法では、少なくとも約0.04重量部の重合開始剤を用いて相転移(phase inversion)を速やかに起こすため、ゴム粒子の外側に多量の単量体が急激にグラフトされて硬い殻を形成するようになり、ゴム粒子の内部に他の単量体や重合体が浸透し難い。したがって、上記従来の方法によって製造されたゴム相粒子は、大きさが小さく、緻密な構造を有するため、ゴム相粒子が閉鎖された形態(occlusion)を形成することが難しい。] [0052] これに反して、本発明の方法では、攪拌速度及び変換速度を段階的に調節できる穏やかな条件下で、混合物をゆっくりと相転移させて重合するように、約0.005〜約0.03重量部の重合開始剤を用いる。これにより、グラフトされる単量体の量が減少し、ゴム粒子の内部に他の単量体や重合体が閉じ込められる比率が増加し、粒子の大きさが大きくなれる。かような場合、ゴム粒子は非常に柔軟であるため、樹脂は成形過程で簡単に変形させることができ、マイクロスケールの表面粗さを増加させることができる。] [0053] 本発明の一実施形態では、混合物を第1の反応器に約10〜50kg/hrの速さで投入し、約70〜約120rpmの速さで攪拌して、変換(重合)率約30〜約40%まで重合する。重合物を第2の反応器に投入し、約40〜約80rpmの速さで攪拌して、さらに変換率約55〜約80%まで重合する。該方法は、必要に応じて、追加重合の後、反応器から非反応物を除去する段階をさらに含むことができる。] [0054] 本発明の軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(A)は、樹脂組成物の総量を基準として、約10〜約80重量%、好ましくは約20〜約70重量%、より好ましくは約35〜約65重量%で用いることができる。軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(A)の含量が約10重量%未満の場合には、一定水準以上の低光沢性及び優れた柔らかな表面質感を得ることが難しく、80重量%を超過する場合には、十分な耐衝撃性が得られない。] [0055] (B)ゴム改質芳香族ビニル系共重合樹脂 本発明に用いられるゴム改質芳香族ビニル系共重合樹脂(B)は、ゴム改質芳香族ビニル系共重合樹脂(B)の総重量を基準として、共役ジエン系ゴム約40〜約80重量%を含むことができる。これらの範囲の時、所望の耐衝撃性を得ることができる。] [0056] また、本発明に係る熱可塑性樹脂組成物から成形された成形品の耐衝撃性を向上させるために、ゴム改質芳香族ビニル系共重合樹脂(B)は、平均ゴム粒子径が約0.1〜約0.8μmであることが好ましい。平均粒径は、レーザー光散乱装置を利用して体積平均粒径を基準で測定することができる。さらに、透過型電子顕微鏡像のスケールバーや重量平均粒径を利用して測定することができる。] [0057] ゴム改質芳香族ビニル系共重合樹脂(B)は、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等の既知の重合方法で製造することができる。一実施形態では、ゴム改質芳香族ビニル系共重合樹脂(B)は、芳香族ビニル系単量体約8〜約45重量%、シアン化ビニル系単量体約2〜約30重量%及び共役ジエン系ゴム約40〜約80重量%をグラフト共重合することによって製造することができる。] [0058] 加工性及び耐熱性等の特性を与えるために、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸又はN−置換マレイミド等の単量体をゴム改質芳香族ビニル系共重合樹脂(B)の製造時に添加してもよい。単量体は、ゴム改質芳香族ビニル系共重合樹脂(B)の総重量を基準として約0〜約15重量%の量で用いることができる。] [0059] ゴム改質芳香族ビニル系共重合樹脂(B)に利用される共役ジエン系ゴムの例としては、限定されるものではないが、ポリブタジエン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(アクリロニトリル−ブタジエン)等のジエン系ゴム;当該ジエン系ゴムに水素を添加した飽和ゴム;イソプレンゴム;クロロプレンゴム;ポリアクリル酸ブチル;及びエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)などが挙げられる。これらは、単独で又は2種以上混合して用いることができる。これらの中で、ジエン系ゴムが好ましく、より好ましくはブタジエン系ゴムである。] [0060] ゴム改質芳香族ビニル系共重合樹脂(B)に用いられる芳香族ビニル系単量体の例としては、限定されるものではないが、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、4−n−プロピルスチレン、4−t−ブチルスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、ビニルトルエンなどが挙げられ、これらの単量体は、単独で又は2種以上混合して用いることができる。上記単量体の中で、スチレンが好ましい。] [0061] ゴム改質芳香族ビニル系共重合樹脂(B)中での使用に適しているシアン化ビニル系単量体の具体的な例としては、限定されるものではないが、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリルなどが挙げられる。これらは、単独で又は2種以上混合して用いることができる。] [0062] 本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ゴム改質芳香族ビニル系共重合樹脂(B)約4〜約60重量%、好ましくは約8〜約40重量%を含む。ゴム改質芳香族ビニル系共重合樹脂(B)の含量が約4重量%未満の場合には、一定水準以上の耐衝撃性を表し難く、含量が60重量%を超過する場合には、流動性及び加工性が低下する場合がある。] [0063] (C)芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合樹脂 芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合樹脂(C)は、芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合樹脂(C)の総重量を基準として、芳香族ビニル系単量体約40〜約90重量%及びシアン化ビニル系単量体約10〜約60重量%を共重合させて製造する。] [0064] 芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合樹脂(C)は、加工性及び耐熱性を加えるために、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸又はN−置換マレイミドをさらに含んでいてもよく、該単量体類は、芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合樹脂(C)の総重量を基準として、約0〜約30重量%の量で用いることができる。] [0065] 芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合樹脂(C)に利用される芳香族ビニル系単量体の例としては、特に限定されるものではないが、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、4−n−プロピルスチレン、4−t−ブチルスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、ビニルトルエンなどがあり、これらの芳香族ビニル系単量体は、単独で又は2種以上混合して用いることができる。上述の単量体の中で、スチレンが好ましい。] [0066] 芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合樹脂(C)は、芳香族ビニル系単量体約40〜約90重量%、好ましくは約50〜約85重量%を含む。芳香族ビニル系単量体の含量が40重量%未満の場合には、ゴムの粘度が急激に増加して、低光沢熱可塑性樹脂組成物の加工性が低下する場合がある。含量が90重量%を超過する場合には、強度が低下することがある。] [0067] シアン化ビニル系単量体の例としては、限定されるものではないが、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリルなどが挙げられる。これらの単量体は、単独で又は2種以上混合して用いることができる。上述の単量体の中で、アクリロニトリルが好ましい。シアン化ビニル系単量体は、約10〜約60重量%で用いることが好ましい。] [0068] 本発明の一実施形態では、熱可塑性樹脂組成物は、芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合樹脂(C)約5〜約80重量%、好ましくは約10〜約50重量%を含む。芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合樹脂(C)の含量が5重量%未満の場合には、低光沢熱可塑性樹脂組成物の加工性が低下することがあり、80重量%を超過する場合には、十分な耐衝撃性を表し難い。] [0069] 本発明の熱可塑性樹脂組成物は、難燃剤、熱安定剤、衝撃改質剤、酸化防止剤、光安定剤、顔料、染料及び無機充填剤から選択される添加剤をさらに含むことができ、これらの添加剤は、単独で又は2以上の混合物で用いることができる。無機物充填剤としては、石綿、ガラス繊維、タルク、硫酸塩などが挙げられる。添加剤は、(A)+(B)+(C)約100重量部に対して、約30重量部以下、例えば、約0.001〜30重量部で用いることができる。] [0070] 本発明の熱可塑性樹脂組成物は、従来の方法で製造することができる。例えば、上述した構成成分と選択された添加剤とをミキサー中で同時に混合し、従来の押出器内で混合物を溶融押出して樹脂組成物をペレット状に製造することができる。] [0071] 本発明の熱可塑性樹脂組成物から成形された成形品は、優れた衝撃強度を有する。また、図4に示すように、成形品の表面に多数の微細な突出部が稠密に形成されて、マイクロ単位の表面粗さが増加し、柔らかい表面質感及び優れた低光沢性を発揮することができる。] 図4 [0072] 一実施形態では、本発明の熱可塑性樹脂組成物から成形された成形品は、約400〜約800nmの平均表面粗さ(Ra)及び約2,000〜約7,000nmの10点平均粗さ(Rz)の値を有することができる。平均表面粗さ(Ra)及び10点平均粗さ(Rz)は、VEECO Optical ProfilerNT−1100を利用して測定することができ、測定方法は、下記で詳述する。また、成形品は、60度光沢計を利用して測定した光沢度が約40以下でありうる。測定した光沢値が小さいほど成形品の光沢性が低くなる。したがって、本発明において光沢値の下限は限定されない。60度光沢値は、BYK−Gardner Gloss Meterを利用して測定することができる。] [0073] また、成形品は、1/8”厚さ試料及び1/4”厚さ試料でASTMD256に従って測定したアイゾット衝撃強度がそれぞれ約20〜30kgf・cm/cm及び約17〜25kgf・cm/cmでありうる。] [0074] このように、本発明の熱可塑性樹脂組成物及びこれから製造された成形品は、柔らかな表面質感、低光沢性及び衝撃強度に優れているので、熱可塑性樹脂組成物は、電気・電子製品や住宅の内外装材、自動車部品、小さい家庭用品/アメニティなどのような種々の製品に用いることができる。] [0075] 一実施形態では、熱可塑性樹脂組成物をテレビ、オーディオセット、携帯電話、デジタルカメラ、GPSナビゲーション、洗濯機、コンピュータ、モニタ、MP3、DVDプレーヤー、ビデオプレーヤー、CDプレーヤー、食器洗い機及びOA機器等の電気・電子製品の内外装材を製造することができる。また、前記熱可塑性樹脂組成物を自動車の内・外装材に成形することができる。] [0076] 成形方法には、制限されるものではないが、押出成形、射出成形又はキャスティング成形があり、本発明の属する分野において通常の知識を有する者によって容易に実施されることができる。] [0077] 本発明の一実施形態では、バレル温度約40〜80℃の条件で温度約180〜280℃で射出成形機を用いて熱可塑性樹脂組成物から成形品を製造することができる。] [0078] 本発明は下記実施例によってさらによく理解されることができ、下記実施例は本発明の説明目的ためのものであり、添付された特許請求の範囲によって規定される本発明の保護範囲を制限しようとするのではない。] [0079] 実施例及び比較例で用いられた各成分の仕様を以下で詳述する。] [0080] (A)軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂 (a1)スチレン53.4重量部と、アクリロニトリル17.8重量部と、エチルベンゼン20重量部とを含む混合物に、5%のスチレン溶液での溶液粘度が170cpsのブタジエンゴム8.8重量部を添加した。次いで、そこへ開始剤である1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン0.015重量部と、分子量調節剤であるt−ドデシルメルカプタン0.07重量部とを添加して混合溶液を用意した。混合溶液を25kg/hrの速度で反応器に投入した。第一の反応器は、攪拌速度を100rpmとし、変換率を35%に調節した。第2の反応器は、攪拌速度を70rpmに調節し、変換率を75%に調節した。反応器から排出された反応物を連続的に液化装置に移して、未反応の単量体および溶媒を除去した。次いで、重合産物をペレット化し、ABS樹脂(a1)を得た。製造されたABS樹脂(a1)の膨潤指数は約16.2で、平均ゴム粒子径は8.58μmで、グラフト率は77.8%であった。ABS樹脂(a1)のゴム粒子のTEM像を図1に示した。] 図1 [0081] (a2)第一の反応器の攪拌速度を80rpmとしたことを除いては、(a1)の方法と同じABS樹脂の製造方法を行った。製造されたABS樹脂(a2)の膨潤指数は約19.3で、平均ゴム粒子径は14.11μmで、グラフト率は82.3%であった。ABS樹脂(a2)のゴム粒子のTEM像を図2に示した。] 図2 [0082] (a3)1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン0.04重量部を用い、第一の反応器の攪拌速度を130rpmとしたことを除いては、(a1)の方法と同じABS樹脂の製造方法を行った。製造されたABS樹脂(a3)の膨潤指数は11.6で、平均ゴム粒子径は6.42μmで、グラフト率は116.8%であった。ABS樹脂(a3)のゴム粒子のTEM像を図3に示した。] 図3 [0083] (B)ゴム改質芳香族ビニル系共重合樹脂 (b1)スチレン31重量部と、アクリロニトリル11重量部と、ブタジエンゴム58質量部と、を混合し、乳化重合した。平均粒径が0.32μmのゴム粒子と、共役ジエン系ゴム58重量%とを含むコア/シェル型中のグラフト−ABS(以下、「g−ABS」)を用いた。] [0084] (b2)ゴム粒子の平均粒径が0.21μmであることを除いては、実施例(b1)と同様な方法で製造されたg−ABSを用いた。] [0085] (C)芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合樹脂 重量平均分子量が120,000、アクリロニトリル含量が32重量%のSAN樹脂を用いた。] [0086] (D)酸化防止剤 ヒンダードフェノール系酸化防止剤として、オクタデシル−3(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−ターシャリー−ブチルフェニル)プロピオネートを用いた。] [0087] (E)シリコン系衝撃改質剤 シリコン系衝撃改質剤として、ジメチルポリシロキサンを用いた。] [0088] 実施例1〜6 表1に示す構成成分を混合し、混合物を溶融混練し、220℃の温度で従来の二軸押出器(L/Dが29、Φ=45mm)を用いて押出して、熱可塑性樹脂ペレットを製造した。樹脂ペレットは、80℃で3時間乾燥し、バレル温度40〜80℃の条件で、6Oz射出器を用いて180〜280℃で試験片に成形した。実施例1で製造された試験片のTEM像を図4に示した。] 図4 [0089] 比較例1〜4 表1に示す構成成分を混合し、混合物を溶融混練し、220℃の温度で従来の二軸押出器(L/Dが29、Φ=45mm)を用いて押出して、熱可塑性樹脂ペレットを製造した。樹脂ペレットは、80℃で3時間乾燥し、バレル温度40〜80℃の条件で、6Oz射出器を用いて180〜280℃で試験片に成形した。比較例1で製造された試験片のTEM像を図5に示した。] 図5 [0090] ] [0091] 実施例1〜6及び比較例1〜4で製造した試験片の物性は次の方法にしたがって測定され、その結果を下記表2に示した。] [0092] (1)アイゾット衝撃強度:ノッチアイゾット衝撃強度は、ASTMD256にしたがって、23℃及び50%相対湿度に48時間暴露した後、1/4”及び1/8”の試験片で測定した(inch, Kgf・cm/cm)。] [0093] (2)光沢度:60度光沢度は、BYK−Gardner Gloss Meterを利用して測定した。] [0094] (3)表面粗さ(Surface Roughness):表面粗さ測定装置であるVEECO Optical ProfilerNT−1100を利用して表面粗さを測定した。本発明で用いられる用語の定義は、下記のようである。] [0095] (3−1)平均表面粗さ(Ra):平均表面粗さ(Ra)は、サンプリング長さ内の中心線からの表面の断面高さの偏差の絶対値の相加平均から求める。Raが大きいほど表面粗さは増加する。平均表面粗さの単位は、nmである。] [0096] ] [0097] (3−2)10点平均粗さ(Rz):10点平均粗さ(Rz)は、粗さ曲線の平均線と平行な直線から、一つのサンプリング長さについて測定された最も高い5個の山と、最も低い5個の谷の高さの差の平均から測定される。単位は、nmである。] [0098] ] [0099] 10点平均粗さ(Rz)は、スライディング表面(Sliding Faces)を測定する時に用いられる。10点平均粗さ(Rz)の値が大きいほど、表面粗さが増加する。] [0100] ] [0101] 表2に示したように、膨潤指数が約13〜約30で、グラフト率が約40〜約90%である軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(a1及びa2)を用いた実施例1〜6の場合、非常に優れた表面粗さ及び低光沢性を具現しながらも衝撃強度が向上した。] [0102] また、ゴム改質芳香族ビニル系共重合樹脂(B)のゴム粒子の平均粒径が変わっても優れた表面粗さの具現が可能であることを確認することができる。] [0103] このように、マイクロ単位の表面粗さが増加するほど、本発明にしたがって製造された試験片の表面が低光沢性及びまるで紙やパルプのような柔らかな感触を示すことが確認された。] [0104] これに比べ、比較例1及び2の軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(a3)の場合、低光沢性は示すが、高いグラフト率、また膨潤指数が相対的に低く、したがって表面粗さが十分に向上していないことを確認することができる。] [0105] 図4に示すように、実施例1の試験片は、試験片の表面全体に微細な突出部及び溝が稠密に形成されて、顕著に増加したマイクロ単位の表面粗さを示す。しかしながら、図5に示すように、比較例1の試験片は、ゴム粒子が分散している箇所だけに突出部が確認され、表面粗さの増加率が低いということが分かる。] 図4 図5 [0106] 比較例3及び4は、溶融押出法により製造された従来のABS樹脂組成物を表す。表2に示したように、本発明の樹脂組成物は、一般的なABS樹脂組成物より優れた低光沢性、衝撃強度及び良好な表面粗さを表す。] 実施例 [0107] 上記では、本発明を具体的な好適な実施形態に基づいて述べてきたが、添付の特許請求の範囲で規定される本発明の思想及び範囲から逸脱することなく、種々の変形または変更が加えられうることは当業者であれば明白であろう。]
权利要求:
請求項1 (A)グラフト率が約40〜約90%及び平均粒径が約6〜約20μmのゴム粒子を分散相して含む軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂約10〜約80重量%と、(B)ゴム改質芳香族ビニル系共重合樹脂約4〜約60重量%と、(C)芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合樹脂約5〜約80重量%とを含む、柔らかな表面質感を有する低光沢熱可塑性樹脂組成物。 請求項2 前記軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(A)の膨潤指数が約13〜約30である、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。 請求項3 前記軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(A)は、芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体を含むマトリックス;ならびに前記マトリックスに分散され、グラフト率が約40〜約90%及び平均粒径が約6〜20μmのゴム粒子を含む、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。 請求項4 前記ゴム粒子は、内部に閉塞された、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合体及びこれらの混合物を含む、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。 請求項5 前記軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(A)は、芳香族ビニル系単量体約45〜約90重量%、シアン化ビニル系単量体約5〜約35重量%、及び共役ジエン系ゴム約5〜約20重量%を含む、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。 請求項6 前記軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(A)は、連続バルク重合又は連続溶液重合によって製造される、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。 請求項7 前記軟ゴム質芳香族ビニル系共重合樹脂(A)は、芳香族ビニル系単量体約40〜約60重量部、シアン化ビニル系単量体約10〜約25重量部、共役ジエン系ゴム約7〜約20重量部及び溶媒約5〜約30重量部を含む混合溶液約100重量部を、重合開始剤約0.005〜約0.03重量部及び分子量調節剤約0.005〜約0.5重量部と混合する段階と、前記混合物を変換率約30〜約40%まで重合する段階と、前記重合物を変換率約55〜約80%まで追加重合する段階と、によって製造される、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。 請求項8 前記ゴム改質芳香族ビニル系共重合樹脂(B)は、共役ジエン系ゴム約40〜約80重量%と、芳香族ビニル系単量体約8〜約45重量%と、シアン化ビニル系単量体約2〜約30重量%とのグラフト共重合体であり、かつ平均粒径が約0.1〜約0.8μmのゴム粒子を含む、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。 請求項9 前記芳香族ビニル−シアン化ビニル系共重合樹脂(C)は、芳香族ビニル系単量体約40〜約90重量%及びシアン化ビニル系単量体約10〜60重量%を含む、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。 請求項10 前記樹脂組成物は、難燃剤、熱安定剤、衝撃改質剤、酸化防止剤、光安定剤、顔料、染料、無機充填剤及びこれらの混合物からなる群から選択された添加物をさらに含む、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。 請求項11 前記芳香族ビニル系単量体は、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、4−n−プロピルスチレン、4−t−ブチルスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン及びビニルトルエンからなる群から選択された少なくとも一つである、請求項5、8及び9のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。 請求項12 前記シアン化ビニル系単量体は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル及びエタクリロニトリルからなる群から選択された少なくとも一つである、請求項5、8及び9のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。 請求項13 前記共役ジエン系ゴムは、ポリブタジエン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(アクリロニトリル−ブタジエン)、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ポリアクリル酸ブチル及びエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)からなる群から選択された少なくとも一つである、請求項5または8に記載の熱可塑性樹脂組成物。 請求項14 請求項1〜10のいずれか一項に記載の樹脂組成物から成形した成形品。 請求項15 前記成形品は、約400〜約800nmの平均表面粗さ(Ra)及び約2,000〜約7,000nmの10点平均粗さ(Rz)の値を有する、請求項14に記載の成形品。 請求項16 前記成形品は、60度光沢計を利用して測定した光沢度が約40以下の値を有する、請求項14に記載の熱可塑性樹脂組成物。
类似技术:
公开号 | 公开日 | 专利标题 KR100781068B1|2007-11-30|폴리|아크릴레이트 성형재료의 내충격성 개질용 코어-쉘 입자, 이의 제조방법, 이를 포함하는 성형 조성물 및 당해 성형 조성물로부터 수득 가능한 성형물 CN104603198B|2019-10-15|热塑性树脂组合物及使用其的模制泡沫 EP2341102B1|2015-12-02|Thermoplastic resin composition revealing improved impact strength and melt flow property JP4060183B2|2008-03-12|改良された低温耐衝撃性を有するpmma成形体 CN101508817B|2011-09-28|一种高光abs合金及其制备方法 US6380304B1|2002-04-30|Mass polymerized rubber-modified monovinylidene aromatic copolymer compositions KR101293787B1|2013-08-06|난연성 및 내열성이 우수한 투명 열가소성 수지 조성물 CN107075214B|2019-12-13|热塑性树脂组合物以及使用该组合物的模制品 JP5096460B2|2012-12-12|Resin composition with excellent scratch resistance CN101506300B|2011-05-04|具有优异的冲击强度和流动性的透明abs树脂组合物 CN102329462B|2014-12-03|热塑性树脂组合物及其模塑制品 US5162423A|1992-11-10|Thermoplastic molding materials having good low-temperature impact strength ES2388702T3|2012-10-17|Composición mejorada de copolímero aromático de monivinilideno modificado con caucho polimerizado en masa JP6263234B2|2018-01-17|熱可塑性樹脂組成物およびこれを用いた成形品 US20070106028A1|2007-05-10|Mass polymerized rubber-modified monovinylidene aromatic copolymer composition KR100626955B1|2006-09-20|저광택성과 내충격성이 우수한 스티렌계 열가소성 수지조성물 US8344043B2|2013-01-01|Thermoplastic resin composition having good scratch resistance and molded article made therefrom EP2094746B1|2012-02-01|Thermoplastic resin having uniform composition and narrow molecular weight distribution, and method for preparing the same JP3992772B2|2007-10-17|メタクリレート樹脂ブレンド US9102827B2|2015-08-11|Thermoplastic resin having high transparency and high impact strength and preventing low-temperature whitening KR101320326B1|2013-10-23|충격성과 유동성이 우수한 열가소성 수지 조성물 JP2017535657A|2017-11-30|熱可塑性樹脂組成物およびこれを含む成形品 KR101457403B1|2014-11-12|고온 내열변색 특성이 우수한 asa 수지 조성물 KR101731142B1|2017-05-11|내스크래치성이 향상된 저광택 열가소성 수지 조성물 EP2231777A1|2010-09-29|Chemical and impact resistant thermoplastic resin composition having improved extrudability.
同族专利:
公开号 | 公开日 KR20090073978A|2009-07-03| KR100992537B1|2010-11-05| WO2009084897A2|2009-07-09| EP2235104A4|2011-07-06| RU2010130425A|2012-02-10| US20100331475A1|2010-12-30| EP2235104B1|2017-05-03| WO2009084897A3|2009-10-01| JP5330410B2|2013-10-30| EP2235104A2|2010-10-06| RU2471828C2|2013-01-10| US9228046B2|2016-01-05|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题 JPS59184244A|1983-04-04|1984-10-19|Toray Ind Inc|Production of impact-resistant thermoplastic resin composition| JPS6296511A|1985-10-23|1987-05-06|Asahi Chem Ind Co Ltd|Matted thermoplastic resin composition and its production| JPH05117487A|1991-03-18|1993-05-14|Japan Synthetic Rubber Co Ltd|ゴム強化スチレン系樹脂組成物およびその製造方法| JPH07252399A|1994-02-15|1995-10-03|Bayer Ag|均一な艶消面を有するabsポリマー組成物| WO2006070986A1|2004-12-28|2006-07-06|Cheil Industries Inc.|Thermoplastic resin composition for refrigerator having improved environmental stress crack resistance|JP2016526082A|2013-05-31|2016-09-01|サムスン エスディアイ カンパニー,リミテッドSamsung Sdi Co.,Ltd.|導電性及び衝撃強度に優れた熱可塑性樹脂組成物|US4362850A|1979-03-07|1982-12-07|Monsanto Company|Process for the continuous polymerization of polyblends| US4713420A|1982-05-21|1987-12-15|The Dow Chemical Company|ABS compositions having trimodal rubber particle distributions| DE3407018A1|1984-02-27|1985-08-29|Bayer Ag|Matte formmassen| DE3421353A1|1984-06-08|1985-12-12|Bayer Ag|Pfropfpolymerisate mit matter oberflaeche| US5237004A|1986-11-18|1993-08-17|Rohm And Haas Company|Thermoplastic and thermoset polymer compositions| IT1245729B|1990-11-12|1994-10-14|Montedipe Srl|Composizioni termoplastiche a base di una poliolefina e di un polimero vinil aromatico| DE4221293A1|1992-06-29|1994-01-05|Basf Ag|Formmasse mit matter Oberfläche| DE4404750A1|1994-02-15|1995-08-17|Bayer Ag|Matte ABS-Polymer-Zusammensetzungen| IT1283041B1|1996-05-21|1998-04-07|Enichem Spa|Procedimento per la preparazione di resine abs| DE19649249A1|1996-11-28|1998-06-04|Bayer Ag|Verbesserte thermoplastische Formmassen vom ABS-Typ| KR100364232B1|1997-12-22|2003-02-19|제일모직주식회사|내충격성 및 저광택성이 우수한 열가소성 수지의 제조방법| JP3673084B2|1998-06-18|2005-07-20|三菱樹脂株式会社|木質系abs樹脂組成物及びそれを用いた成形品| KR100397465B1|1998-09-22|2004-02-14|제일모직주식회사|내충격성, 유동성 및 저광택특성이 우수한 열가소성 수지의 제조방법| JP2000141322A|1998-11-10|2000-05-23|Cubic:Kk|木質様樹脂成形品及び木質様樹脂成形品の製造方法| DE10145773A1|2001-09-17|2003-04-03|Bayer Ag|ABS-Zusammensetzungen mit verbesserten Eigenschaftskombinationen| KR100612996B1|2004-02-17|2006-08-14|주식회사 엘지화학|도장성이 우수한 난연 열가소성 수지 조성물과 그 제조방법| KR100992537B1|2007-12-31|2010-11-05|제일모직주식회사|표면 질감이 우수한 저광 열가소성 수지 조성물 및 그 성형품|KR100992537B1|2007-12-31|2010-11-05|제일모직주식회사|표면 질감이 우수한 저광 열가소성 수지 조성물 및 그 성형품| KR101240323B1|2009-12-29|2013-03-07|제일모직주식회사|고내후성 및 고내열성의 저광택성 열가소성 수지 조성물| KR101453772B1|2010-10-22|2014-10-21|제일모직 주식회사|폴리카보네이트 수지 조성물 및 이를 이용한 성형품| WO2015028955A1|2013-08-28|2015-03-05|Sabic Global Technologies B.V.|Soft touch compositions and articles thereof| KR101933797B1|2017-08-08|2018-12-28|롯데첨단소재|열가소성 수지 조성물 및 이로부터 제조된 성형품| KR20200061825A|2018-11-26|2020-06-03|롯데첨단소재|열가소성 수지 조성물 및 이로부터 제조된 성형품|
法律状态:
2011-06-23| A621| Written request for application examination|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110622 | 2013-03-07| A977| Report on retrieval|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130307 | 2013-03-13| A131| Notification of reasons for refusal|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130312 | 2013-06-12| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130611 | 2013-07-16| TRDD| Decision of grant or rejection written| 2013-07-24| A01| Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130723 | 2013-08-01| A61| First payment of annual fees (during grant procedure)|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130725 | 2013-08-02| R150| Certificate of patent or registration of utility model|Ref document number: 5330410 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 | 2016-08-02| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 | 2017-03-07| S111| Request for change of ownership or part of ownership|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 | 2017-03-15| R350| Written notification of registration of transfer|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 | 2017-08-08| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 | 2018-08-07| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 | 2019-08-06| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 | 2020-03-13| S111| Request for change of ownership or part of ownership|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 | 2020-04-15| R350| Written notification of registration of transfer|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 | 2020-07-29| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 | 2021-07-30| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
优先权:
[返回顶部]
申请号 | 申请日 | 专利标题 相关专利
Sulfonates, polymers, resist compositions and patterning process
Washing machine
Washing machine
Device for fixture finishing and tension adjusting of membrane
Structure for Equipping Band in a Plane Cathode Ray Tube
Process for preparation of 7 alpha-carboxyl 9, 11-epoxy steroids and intermediates useful therein an
国家/地区
|